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若井先生ご夫妻から体験をお聴きして

5/3(金)夜7時~8時、青森クリスチャンセンター(acc)で、「目に見えない放射能と向き合って」の著者若井和生先生と奥様から、放射能とどう向き合い、今日に至っているか具体的な体験をお聴きしました。


この時間の少し前、夕食を共にした交わりの時も持ちました。
この夕食には、宮城から牧師ら4名、保養ご家族2組も加わって、楽しい歓談の時になりました。

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さて、話を体験談に戻します。


2年前、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故に伴い、放射性物質は福島のみならず、周辺の県、関東圏にまで及びました。

人々は、福島に目が行きがちですが、いわゆるホットスポットと呼ばれている地域については、福島ほどの報道や情報はありません。しかし、実際に、岩手、宮城、茨城、千葉、栃木など、放射性物質は降り注ぎ、いろんな作物や川、海からも放射性物質が検出されました。

若井先生は、岩手県奥州市(旧水沢市)の水沢聖書バプテスト教会の牧師です。
先生ご家族が当時住んでいた教会の当時の線量は、9.6μSV/hだったそうです。(2011年9月)

事故当初、政府や自治体は、岩手県民には全く放射性物質が降り注いだ事実を公表せず、かなり後になってから発表。初期段階でマスクなどの防御もできずに、被爆させられていた事実がありました。

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まずは、教会の土地の除染から始めたそうです。
先生自ら除染したわけですが、ご自身も、自治体さえも除染の仕方と言うことはわかりませんでした。
9.67μsv/hを1μsvに下がるまで5メートル近く掘り、その中に放射性廃棄物を埋め、さらに鉄板を置いたそうですが、そのときのベクレル数は、27400ベクレルだったそうです。

しかし、そのように除染しても、家の中の線量は一向に減っていきません。
そこで、専門家にご指導の上、今度は屋根の除染のために、薬品会社にお願いして行った結果、屋根そのものの線量は下がっても、部屋の中の線量は下がりません。
それは、屋根から飛び散った放射性物質のせいで、一気に値が高くなったそうです。


お子さん(当時幼児)の尿検査で、セシウムが検出され、その値は、福島の子供たちと変わらない数値。
奥様の強い願いで、震災1年後の夏に、沖縄に3週間ほど保養をされました。
沖縄では幼稚園も無料で通わせていただいていたそうです。その甲斐があって、セシウム量は半分に減りました。冬にも2週間保養し、市の検査では不検出になりました。


先生ご夫妻の葛藤として、なかなか世の中に、この現実や切実さが伝わらないことがあります。
しかし、そのような中で、地元の、同じように悩み、しかも分かち合う場がなくて困っている若いお母様方と良いつながりができ、問題を共有できている事に感謝しているとのことでした。



お話をお聴きし、本当にその当事者にとっては、どんなに辛く悲しい出来事であったか伝わりました。
そして、周囲のいろんな反応に、時には傷つき、苦しみ、悲しむ、その姿は、福島の方々や、ホットスポットの地域に住む方々の縮図のような気がしました。全国にどれほどの人たちが、こうした中で葛藤して生活していることか。

そして、先生ご自身は、この体験を、これまでの葛藤を越えて、神様が許可をお与えくださった境遇ととらえて、同じように悩む方々との出会いに感謝し、これから何ができるのか、祈り求めている時であるそうです。


長期避難、移住が一番最善な事なのです。
しかし、全員がそれを受け入れるには、多くの課題があるということもまた現実で、これに対して、一個人が、または小さな団体が何をしていけばよいのか途方にくれる思いです。本当は、こういう人々に国や自治体、東電など原子力村の人たちが一致して賠償すべき事ですが。


保養という手段が、たとえ短期であっても、先生のご子息のようにセシウムを排出できた事は、保養を支援している者たちにとっては、本当に感謝な報告でした。


もっと詳しく内容を知りたい方は、先生の著書「目に見えない放射能と向き合って」をご覧下さい。
ライフログから入れます。


なお、代表の中島恭子著「こどものいのちを守りたい」は、現在アマゾンからは入荷不足担っていますが、
いのちのことば社か著者本人に申し込みくだされば入手できます。
コメントをくださってもかまいません。



保養ご家族の報告

保養されたご家族は、今回3家族になりました。
1家族は仕事のため、1家族は車の故障のためキャンセルされましたが、宮城の牧師ご家族が加えられました。

夏にまたお会いできますように。

by 311niji | 2013-05-06 15:44 | 集会・講演会

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